完結？ 未完？？
カプコンのＲＰＧと言えば、真っ先に思いつくこのシリーズ。主人公の「リュウ」、ヒロインの「ニーナ」という恒例の設定は踏襲され、しかし毎回ほぼ全く別のストーリーが展開されます・・・・・・って、ディース姐さんも忘れちゃいけませんか（笑）。
今作では、眠りから覚めた皇帝と記憶を失っていたリュウ、この二人を交互にプレイしつつストーリーが織り成されていく、２主人公制が斬新でしょうか。
じゃ、プレイしてみた感想をば。
グラフィックは少し淡いと言うか、パステル調の色使いが特徴。画面そのものは斜め角度４５度あたりから見下ろすタイプ。
キャラの動きは戦闘シーン、イベントシーンともに豊富ですね。ですが、会話時の顔グラフィックが少し曖昧で、よく言えば独特なセンス、悪く言えばはっきりしない、そういう印象です。このへんはちょっと好き嫌いが分かれそう。
あとは全体的にキャラの性格が「おとなしい」かも。全員優等生的な行動なんですよね。マスターだけはちょっとハジけてますが（笑）。やや物足りない部分があるかもしれません。
あ、ＯＰのアニメは出来がイイです。
んで、前作最大の萌えキャラ、「モモ様」が登場したのは嬉しい誤算！
音声に関しては特に可もなく不可もなく、って感じですかね。
個人的には皇帝プレイ時の音楽が好きでした。どこか東洋的なリズム・雰囲気を盛り込んでいたので、新鮮に感じたんで。
システムは流石に上手くまとまっています。たぶん、ここ最近プレイした中では最もオーソドックスなＲＰＧスタイルじゃないかしらん？ まずゲームバランスは優れています。きっちりと育成して、適度な戦略を立てていればボス戦もムチャな難易度ではありませんし（かといって手抜きをするとやられるという歯ごたえ）。
戦闘については特徴的なシステムが二つほど。
まずは特技の連続技システムで、各々のキャラの特技を繰り出すと、その相性・確率等で技が繋がり、後に続くものほどダメージが跳ね上がるというもの。
ボス戦で特に効果的なこれは、サガフロンティアの「技連携」に近いかもしれません。あそこまでムチャな繋がり方はしませんが（笑）。
もう一つはパーティーのローテーションシステム。通常、戦闘に参加する前衛三人と後衛三人に別れますが、戦闘中は自由にこれを入れ替える事が可能。
後衛は攻撃の対象になりませんが仲間の回復の恩恵は受けますので、ヤバくなったらさっさと入れ替えていきましょう・・・・・・というか、ボスの攻撃は結構激しいので、これを使う場面が多々出てきます。そのへん、戦闘の戦略性が出て面白かったなと。
フィールドではある程度自由にエンカウントを操作できるので、自分のペースで戦闘を繰り返す事ができます。
イベント途中にはけっこうミニゲームが出てきてましたね。特に恒例となった「釣り」は相変わらず。けっこう本格的に練りこまれていて、こだわる人はかな〜りやりこめるはずです。
個人的には妖精の村関係もツボ。ただ、ＤＱの移民イベントに比べると少しこじんまりした印象でしょうか。もうちょい、これ専用のイベントが多くても良かったかもしれません。
で、まぁここまで見るとゲームそのものとしてはかなりまとまっていたんですよ。進行上はそれほど不満ありません。むしろ奇をてらってバランスを崩すよりはよほど好印象。
じゃあ何が悪いかっていうと・・・・・・。
ストーリー部分がこなれてないって言うか・・・・・・しかもラストは終わってません（汗）。正確には、「主人公としての話は終わってるけど、物語の落しどころがイマイチ」ってところ。ネタバレ含むと、ある意味、この話の元凶を作ったへんな術使いが「まだまだこれからですよ」みたいなセリフを残しちゃってるんです。おいおい、それじゃこの先どーなるんかい、と。
中途ストーリーに関しても、主人公の周りの機微はよく描かれていますが、物語全体を見回した場合その全体像がややはっきりしません。ですから、主人公を追ううちに「あれー、終わっちゃった〜？」的な感じでした。
惜しい作品だと思います。
システムは全体的にユーザーライク、ストレスを感じるところが極めて少なかっただけに、もうちょっとストーリーの部分を練って欲しかったですね。
そのあたりが組み合わさっていればもっと高い評価を得ていたのでしょうけど・・・・・・。
・作品のシステムは秀逸。わかりにくいところは少ない。
・キャラグラフィックが好き嫌いが別れそう。
・ストーリーの未完の部分が・・・・・・。