時の輪廻の果てに。

クロノクロス


オススメ度



いや〜、難しい!
と言っても、ゲームの難易度云々ではなくて、その話の展開なのですが。今回はとにかくストーリー把握に苦労した、スクウェアのRPG「クロノクロス」です。SFC時代末期の傑作「クロノトリガー」の続編として作られた今作、しかしその雰囲気はガラリと変わって・・・・・・?


まずキャラクタやグラフィック関連。これに関しては私は高い評価をしています。まずポリゴンRPGとして、スクウェアの作品では最もバランスがいい描き方。戦闘シーンは6頭身キャラというバランスで描かれている為、2〜3頭身より動きが細かく、また8頭身よりはデフォルメされている分キャラがわかりやすくなっています。キャラの顔がはっきりとわかるのもこのデフォルメの調整の賜物でしょうね。個人的にはこれぐらいの頭身バランスが、最も「見やすい」んじゃないかと思っています。
また、このゲームは相当の人数が仲間になるのですが、パーティ内でメンバー変更をしていても、イベント時にそれぞれ違うリアクションをしてくれるなど芸が細かい! またいくつかのイベント時は特定のキャラがいるとまた違った展開を見せるなど、「仲間」という一くくりでイベントを構成せず、キャラごとの違いを引き出しているのも好感触です。
一つ残念なのが、イベントCG。キャラがアニメ調寄りで描かれている為、少し違和感があるんですよね。これなら、いっその事イベントはアニメーションにした方が、面白かったかも・・・・・・。


システムの目玉はクロス・シーケンス・バトル。っと、その前にこの世界では6つの属性があり、キャラはそのどれかの属性に属しています。で、火と水、土と風、光と闇は相反しているんですね。
戦闘ではその場所にあった属性が最初に展開されます。例えば海沿いなら水属性が強く、日がささない場所なら闇が強く、という風に。自分の属性にあったフィールドならば大きな力を発揮できますが、反対の属性が多くを締めていれば苦戦は必至です。
しかしながら、「エレメント」という魔法のようなものを使っていくと、徐々に属性が変化していき、それによって戦況も変わっていきます。闇一色のフィールドでは光属性の者はステータスにマイナス修正をかけられますが、光のエレメントを使いフィールド属性を塗り替えていけば有利になるという。
もちろん、敵さんも黙ってはいません。あちらもエレメントを使ってフィールド属性を変えていくので、お互いの駆け引きがかなりアツいです。
その他、途中の選択肢でいろいろイベントが変わる、マルチシナリオ的な部分があるところ。
一度クリアすると強いステータス&時間倍速機能がついた「強くてニューゲーム」が可能になること(一度正規EDを見ると、マルチエンドシナリオになるのでこれは非常にありがたい機能です)。バトル中のキャラの攻撃アクションが豊富、奥深い設定等も魅力ですね。
細かいところではセーブ時間の短さ、バトル切り替えのロード時間が短いなども見逃せません。


で、欠点。正直、PSのスクウェアRPGとしては、かなり好きな部類に入ります。


ところが、この作品はムチャクチャストーリー解釈が大変。

ゼノギアスを上回る難解さは、ある意味スクウェアの最高峰となっちゃったんじゃないでしょうか(汗)。
中盤以降はその傾向が顕著。私も初回プレイではよくわからず、二回目以降のプレイで知り合いと何度かメールでやり取りしながら、結局三週目をクリアしてようやく理解した次第です。はっきり言って、中学生以下の年零層にはオススメできません。ええ、言い切ってもいいでしょう。
この点で、プレイ中に熱中度が削がれる人が多いかもしれません。
ストーリーに関すれば舞台設定もちょっと不満かな。地球の歴史そのものに触れる問題を扱っているのに、結局「一地方の諸島区域」の話に過ぎないんですよね。「オイオイ、他の地方はどうなったんだ?」と疑問に思うところも。
人によっては「イベントクリア毎にレベルが上がる」というシステムも気に入らないかも。特に好きにレベルを上げていく人には。


私としてはPSのRPGの中でかなり楽しめました。やはり気になるのは、欠点のところでも挙げたストーリーの難解さ。これがもう少しよければ、Sランクをつけてもおかしくなかったですけどね。一回のプレイ時間は40時間弱・・・・・・一回のプレイでわからなかった人は、強くてニューゲームで再プレイすることをぜひオススメします。一回のプレイでは仲間に出来ない人もいますしね。
それにストーリーの深いところがわかれば、この作品の魅力はかなり増してくると思いますし。




・バランスの取れ他キャラグラフィック。
・イベント時の演技の細かさ。
・戦闘時の豊富なアクション
・エレメントによる駆け引き満点のバトル


・ストーリーが難解。
・キャラを自由には育てられない。


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