えっ、もう?


グローランサーII


オススメ度


…………という上記見出しが、ゲーム本編通して、浮かんでは消えて、浮かんでは消えて、という感じだったこのゲーム。
前作、グローランサーの1年後が舞台。
というわけで、前作のキャラクターの多くが、プレイヤーキャラ・サブキャラで出演しており、続編としての繋がりが非常に強調されています。
近頃プレイした、ナンバリング作品の中では、かなり珍しくなった部類じゃないですかね。

前作の評価が高かった私としては、こういう設定からしてかなり楽しみにしていたのですが………………。
一言で言うと、ストーリーとしての作り込みの甘さが、随所にみられる、という感想を持ってしまいました。
マルチシナリオを取っているせいで、全体的に絞った展開をしなければ……という思いがあったのかもしれませんが、ゲーム中に「惜しいなぁ……」と思った事が何度あった事か。

その辺含め、もう少し詳しくレビューしましょう。

【グラフィック】
立ち絵の綺麗さは、PS時代からパワーアップ。ドット絵は普通……かな。まぁ、PS2登場から一年半しか経ってないんで、この時点ではこんな感じなんでしょうが。
戦闘やイベントは斜め見下ろしタイプ。オーソドックスな形で、見づらさ等は特になかったです。

ストーリーでも触れますが、カーマイン(前作主人公)、ゼノス、ライエルなどが、前作からのパーティ・インキャラ。カーマインがかなり目立つのはともかく、ゼノスはその戦闘力も含め、八面六臂の活躍ぶりです。
前作で、やや使いづらかった反動が来たのでしょうか(笑)。


【音楽】
前作が戦闘曲を中心に印象に残る曲ばかりだったのに比べると、少々パワーダウンかも?
ただ、曲数が少なめだという事を除けば、悪くないです。ボイスも邪魔にならないほどに充実してますし。


【システム】
まずはリングシステム。
防具に定められたレベルに該当する精霊石をつけて、戦力をアップする、というもので、FF7のマテリアシステムを想像してもらえればわかりやすいかと。
序盤はそうでもありませんが、中盤以降では非常に重要となるシステムで、連続攻撃、硬直短縮、各種成長促進(特に筋力、瞬発力)は、戦闘に多大なメリットをもたらします。
ただレベルの高い精霊石を持っていても、それが装備出来なかったらしょうがないので、装備可能レベルに優れたリングをいかに集めるかが重要となります。

戦闘シーンは今回もあまり変わらず、という感じでしょうか。リアルタイムな簡易SLGで、次々に変わる戦況に、指示を細かく出しながら……という動きになります。
ここで一つ難点。今回、ザコ戦闘後にパーティ全体に入る経験値が非常に少なく、その分、個人が敵を倒した場合に個々に得られる経験値が多くなっています。
その結果、前衛キャラに比べ、リビエラ、アリエータ、セレブといった、魔法・後方支援的なキャラのレベルが上がりにくい事上がりにくい事(汗)。
かといって、打たれ弱いこれらのキャラを前線に出して、耐えられるかというとそれもなかなか厳しいものが……。
そのへんの戦闘・経験値配分のバランスがイマイチだと感じましたね。
仲間が最終的に7人になるのも、ちと多過ぎかな?
パーティ全体に入る経験値が少ないので、一人一人経験値を稼がせるのが大変なのと、戦闘時の指示の切り替えもかなり忙しくなります。
やはり、4〜5人あたりが妥当なんじゃ無かったのではないでしょうか。

他にも、変更点として、一般的なフィールドから、全体マップのマス目移動となりましたが、これは特に問題ないかなと。
エリアでのイベント・イベント戦闘が多いこの作品では、それなりにマッチしていると思いましたし。


【ストーリー】
「ストーリーとしての作り込みの甘さが、随所にみられる」というのを最初に書いてしまいました。
その理由は、主要イベントのほとんどの導入・結末部分が、全体的に短すぎるんです。いつの間にか、イベントに入ったと思ったら、それがあっけないほど早く終了してしまう。これは演出の問題もあると思うのですが……。
封じられたゲヴェルの復活、傭兵派閥の台頭、そしてラスボス……と、目玉となるべき主要イベントのほとんどに、それらがあてはまってしまいます。
必然的に、イベントを味わおうと思ったら、終わってしまった……と、そのままエンディングまで行っちゃうんですよね。
一応、街の会話のサブイベントで補完されている部分もあるのですが……。

そして、ラスボスの登場とエンディング。
あんまりにも唐突過ぎだろ(汗)。
ラスボス→「えっ、いきなりそんな展開?(汗)」
エンディング→「えっ、もう終わり?(汗)」
なんか淡泊過ぎて…………ねぇ?


【まとめ】
ナンバリング作品として、前作との繋がりを出す作風は個人的に大好きで、雰囲気としてはかなり良かったと思いますが、経験値の配分関連と、イベントの展開・演出の甘さが、ゲームとしての魅力を半減させているような感じでした。
惜しい、惜しいなぁ。もうホント、これは何度も呟いてしまいましたよ。
メインがPS2になったからといって急いで発売せずに、あと半年でも作り込みを深くしていれば……そうすれば、かなり評価が高くなったんでしょうけどねぇ。
一応、初代グローランサーの世界観が好きな人は、その後の世界が楽しめるでしょうけど。




・前作との繋がりの深さ。
・リングシステムは、戦闘に直結。
 使いこなせば使いこなすほど戦闘有利に。



・シナリオの浅さ。展開があっという間……。
・仲間キャラ多過ぎ。


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