もはや何でもアリ。
バイオハザードの主人公ジル＆磁界王マグニートー＆ロックマンＤＡＳＨのマスコット：コブン、これらがコンビを組んで戦えるってんですから、もうその時点で深く考えたらアウトです（笑）。
格闘モノとして、おそらくは最も「競演」という言葉を意識したのが、このマーヴルＶＳシリーズであり、かつ最新作となったこれでは、ムチャとも言える詰め込みがなされています。
まずグラフィック関係。ド派手の一言に尽きます。メガオブティックブラスト＋プロトンキャノン＋ソウルイレイサーの「ごんぶとビーム」同時攻撃なんか、最初見たときはマジでびびるかと。
全体的に展開がかなり速いので、最初はその動きについていくのにすら戸惑いますが、それに慣れてくるとキャラそれぞれの動きがかなり豊富＆笑えて、それを追うだけでも楽しめます。ユニークな動きを意識して「魅せる」戦い方に出来るのも、他の格闘ゲームにはなかなか無い特徴。
音楽に関してはちょいと不満が。特に効果音関係が「軽い」ですね。攻撃をあてていて、どこか爽快感が沸きにくいのが難点。
全体的に過剰ともいえる演出が一種のウリなのですから、このへんも少し大げさになるぐらいでちょうど良かったかも。
このゲームを遊ぶ際は、まずゲーセンコントローラを用意するぐらいの心構えが必要。前にも述べていますが、それぐらいゲーム中の展開が速く、普通のコントローラでは対応しきれなく事が多々。それさえ乗り切れば、このシリーズ特有のノンストップメガミックスの魅力が十分に味わえるでしょう。
キャラ数が非常に多く、総勢５２人から選べる選択肢はかなり魅力的。
基本は１チーム三人制の１ｏｎ１システム。試合は一本勝負で、その間ワンタッチで控えと交代が出来るようになってます。そして控えの選手の扱い方がこの作品では非常に重要となっていて・・・・・・。
控えに回ると、一定条件下の体力回復も出来ますが、同時に「アシスト」という役割も担う事になります。これは前線で戦ってるキャラがアシストを呼ぶと、控えが一定時間出てきて特有の技を出すのですが、この時はもちろん前衛キャラも残っていますから、アシスト役と同時攻撃・迎撃が可能に。これにより、より多面的でアグレッシブな攻め、または守りを展開する事が出来るようになりました。
アシストで出す技は１キャラにつき３つ（一つを選択制）。効果や相性も様々ですから、キャラとアシストの選び方で、人により全く違った戦術を組み立てる必要が出ると共に、それがこのゲームの最大の魅力となっています。
また、昨今の格闘ゲームに比べ、技の出しやすさ・組み立てやすさがそんなに難しくありません。と言っても誤解のないように言っておきたいのですが、底が浅いっちゅーわけでもないです。やり込もうとすれば、先にも述べたアシストの発展性も含めかなりマニアックな連続技を作製する事も可能なわけで。
あくまでも基本アクション・基本となるコンボが、少し練習すればすぐに出せるようになる―――つまり、間口が広い・最初の敷居が低いんですわ。これは、格闘ゲームにあまり触ってない人に好印象だと思います。
最近の格闘ゲームは、６０分の何秒レベルでの攻防が求められたり、その間で確認→キャンセル連続技が出せないと、楽しめない事も多いですからねぇ・・・・・・。
その点でとりあえず「動かして楽しめる（見た目も派手、という点もココではプラスに働き）」のは、この作品の他に、ちょっと昔の「ポケットファイター」ぐらいかな、と。
気になる点で真っ先に思いつくのはバランス関係。まぁ、流石にコブンを使ってどうこうというのはムリがありますが（苦笑）、一部のキャラの使いやすさでかなり差があるのは事実。
次に、キャラを全員出すのに相当な手間がかかるという点。クリア時等にもらえるポイントと新キャラを変換するシステムなのですが、ポイントをかなり貯めないと変換できない人も。必然的に何度もクリアを繰り返せざるを得ず、そのうち面倒になって・・・・・・という人も少なくなかったようです。これは、新たなキャラ色獲得やギャラリールム整備にも同じことが言えました。
細かい点ではオートセーブはあるのにロードがない点、トレーニングモードでＣＰＵ設定をするたびに、キャラ選択まで戻される点も煩わしいのでマイナスポイント。バトル後の勝ちセリフや明確なストーリー描写がなくなったのも物足りない。これらの点で、システム関連でマイナスさせてもらっています。
ただ、トレーニングモードに関しては、その他はかなり整備されてるので、技やコンボの研究にけっこう役立った点は誉めておきましょう。
見る事でも楽しめる―――この作品の大きな魅力はそこだと思います。マニアックなユーザーだけでなく、ある程度のビギナーズも楽しめる可能性がある、このジャンルのゲームとして、私としては評価を高いところに置きたいですね。
・ド派手なグラフィック。
・比較的簡単に技が出せる操作性、意外と初心者向け？
・お祭り雰囲気的には比肩するものがない。
・キャラバランスの格差。
・ストーリー性の希薄。
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