Ｇジェネ新章。
多くのガンダムオタク・・・・・・いわゆる「ガンオタ」を虜にした、ＳＤガンダムシミュレーションの代表作「Ｇジェネシリーズ」。ＰＳで続いたそのシリーズは、いろいろとシステム上の不満もありながら、多くのＭＳを自由に操れるというファン感涙必至の内容から、大きな支持を得てきました。
そして新たな舞台はＰＳ２のプラットホームへと受継がれます―――。
なんと言っても、今回は戦闘画面が完全３Ｄ化されたのが大きな特徴。もちろん全ＭＳが動きまくります。エフェクトも光沢に彩られたり、ビーム色もくっきり出るなど、とにかく豪華。ここまで来るとリアル等身でのバトルも見たくなりますが・・・・・・まぁ、それじゃ「ＳＤガンダム」じゃなくなりますしね（笑）。
マップ上の表示もクォータービューになりましたが、表示角度がちょうど良く「見難い」という印象はありません。その中でも背景で細かい閃光が起こっていたり、芸が細かい！
人物のバストアップ表示、及びスペシャルアタック時のカットインなども、特に文句はありません。贅沢を言わせてもらえば、カットイン等が複数あれば良かったのですけど・・・・・・もうこれはホントに贅沢です。
そして恒例の迫力満点のＣＧムービー。ええ、ＰＳの頃より格段にレベルアップしていて、もう笑っちゃいます（笑）。これを見ずして何を見る！
さて、音楽関係もいいですね。原作で使われたＢＧＭをふんだんに利用し、陣営事のセリフに変われば、ちゃんとＢＧＭも変わる凝りよう。
少し注文をつければ、オプションで「戦闘が終わった後も、その戦闘ＢＧＭが流れつづける」選択があれば良かった事（サウンドルームに入らないと、戦闘のＢＧＭが短いものしか聞けない）、似た趣のあるスパロボシリーズに比べると、セリフバリエーションが少なめな事。
特に後者は残念。ファンネルやメガカノン砲など、特殊な（？）武器を使用した際は、別のセリフなどが用意されていれば、なお良かったのですが。
システムの基本は、ミッションクリアを目的としたターン制のＳＬＧ。敵を倒す事により手に入る経験値でキャラが育つとともに、ユニットであるＭＳも成長し、成長したユニットから新しいユニットを設計・開発させる事で、自軍がどんどん充実していきます。
このゲームではこれらＭＳの開発・設計が最大の醍醐味でしょう。開発の系統からガンダム等の原作味方ユニットはもちろん、ハンブラビやキュベレイ、ザンネック等の敵ユニット、このゲームの中に出てくる機体はほぼ全て自軍に組み込む事ができます。アムロをサザビーに乗せたり、クワトロをリグ・コンティオに乗せたり、本当に自由自在。「ｉｆの世界」ならでは楽しさが詰まっています。
またこれまでのＧジェネは基本的に原作のエピソードに、オリジナルの軍が介入するという形でしたが、今回は全てのシナリオが一つのオリジナルミックスストーリーで繋がるという形を取っています。スパロボ系を想像していただければわかりやすいでしょうか。
分岐点やイベント等で、先々のストーリーに変化がもたらされ、ただ原作を追うだけのものとはまた違った魅力を内包する事に。
全体のゲームバランスも良好だと思います。ニュータイプの強さもバランスを破綻させる事ない程度の優位性で位置付けられていますし、そもそもユニットの効率的な運営を施していかないと、一筋縄では行かない作り。優しすぎることなく、歯ごたえがあります。
以下はネガティヴなポイント。
とにかく残念なのが、ＭＳの数がかなり減った事。シリーズでは一番少なくなったんじゃ？ 理由はね、ほぼはっきり察する事が出来るんですよ。間違いなく、戦闘が完全３Ｄになったせいですでしょう。
ＭＳがバリバリ動き、背景から動きから格段に美麗になった反面、これまでの全てのＭＳの量をデータ的に反映できなかったんだと思います。これは功罪相半ばと言えるのかな・・・・・・。
一応、ＴＶで出てきたような主力機はほぼ揃ってますが（ビギナ・ギナや、エアマスターやレオパルドの後継機など一部除いて）、オリジナルやＭＳバリエーション系がかなり削られる結果に。
これと関係するところもあるのですが、各作品の出場バランスが良くないのも気になるところ。Ｇ、Ｆ９１、∀の各ガンダムはホントにチョイ役。ステージ数があまり多くない事も手伝ってか、エピソードを詰め込めないまま参加している、というかたちです。
これらのファンはちょっと残念かもしれないですねぇ・・・・・・。
以前はできた、ステージ終了後の自由に開発・設計するタイミングがかなり制限されたのもいざプレイしてみるとかなり不便。ストーリーの節目節目でしか設計できないため、「ＡＣＥ」になってもなかなかそこから続けられない＝ＭＳストックがとにかく埋まりがち。プレイテンポが遅くなったのは確実でしょう。
手元リセットはあるのに簡易コンティニューがない、
あと、気をつけて欲しいのが古い型のＰＳ２でプレイする時。型番２００００台以下だと、画面切り替え各種のロード時間がかなりかかります。正直ストレスを感じるほどなので、古い型しか手元にない人はお覚悟を。
３００００番以降なら問題ないのですが。
全体的にあと２〜３ヶ月発売が後ならば、と思ったソフトでした。魅力的なところが各所にあるんですけれど、もうちょっと改善すればもっともっと高評価が与えられたのに！・・・・・・このソフトほど、こう痛感させられたのはそうないんじゃないかと（笑）。
・大幅なパワーアップを遂げたグラフィック。
・オリジナルストーリー。
・魅力あるＭＳ編成。
・登場キャラのバランスの悪さ。
・ロード関係のシステムの詰めの甘さ。
・本体型番が古い人は・・・・・・。