プレイヤーにも「気力」が必要。
友情と熱血と根性で、とにかくどエライ奇跡を起こしてしまうシリーズ（えー
実は、しばらくスパロボから離れていたのですけど、オリジナルキャラのみになった今作で、久しぶりに手を伸ばしてみました。
【キャラ・グラフィック】
グラフィックに関しては、相変わらずドット絵が凄い事になってます。まぁ、シリーズを重ねるごとに演出面がハデになっているのは当たり前なんですが、今回は全体的にスピード感があって良いですな。
一部ボス戦は、演出時間がこれまたどエライことになってて、「一度見ればお腹一杯」な感じですが、まぁそーゆーのはアニメオフにすればいいし（笑）。
で、キャラに関しては、これまでのスパロボシリーズの主要オリジナルキャラを、ごった煮にして世界観を作ってるのですが、これが良い感じになってて好印象。
原作というしばりから離れて、キャラ同士を比較的自由に「いじれる」環境が整ったせいで、戦闘マップ前のやり取りを含め、見ててなるほど、とか、そうくるかとか思ったりして。
アラドがオリジナルになってマシンナリーチルドレンが作られた云々は、キャラ外見が似てる部分からして思わずニヤニヤしてしまいましたよ。
あと、さりげなくトーマス・ブラッド（魔装機神）が出ていたのにはちょっと笑いました。
【音楽】
これまた、今までのオリジナルキャラのテーマが数多く収録されてますが、特筆するべき事が二点。
・戦闘中の曲を自由に設定できる。
これは良かったですねぇ。自分の好みのテーマを揃えちゃったり出来ますし。
ギリアムのテーマで、「英雄戦記（ヒーロー戦記）」が選べちゃうところなんかオールドファン―――スーファミでヒーロー戦記プレイした事がある人は思わずうなってしまうんじゃないかと。
・乗せ換え時のセリフが楽しい。
これまでのスパロボも、乗せ換えの楽しみはあったのですけど、あくまでガンダムはガンダム系、マジンガーはマジンガー系という縛りがありました。
それが今回、後半での一部のパイロットを除いて、とにかく自由に乗機を選べます。キョウスケがグルンガストに乗ったり、リュウセイがヴァイスリッターに乗ったり、イルムがヴァルシオンに乗ったりｅｔｃ……。
もちろん、その時の固有武器のセリフもしっかり収録されていて、こだわりがより強く感じられましたね。
このへんも、「原作縛り」の影響が少なくなったことから可能となったことでしょう。
【システム】
目新しいシステムは、能力の付け替えとツインユニットシステム。
まぁ、どちらも第二次大戦α以降のシステムのアレンジ版って感じですが。
能力の付け替えはともかくとして、個人的にツインユニットへの転換は大正解だと思いました。
というか、以前の小隊システムがちょっと煩雑に過ぎたんですよね。
スパロボについていうならば、戦闘マップ中のユニット管理は単純でこそ、逆に個々のユニットの華が映えると思ってましたので、これぐらいの方が作風にマッチするんじゃないかと。
他にストーリー的に、ＯＧ２でギリアムにスポットライトが当たってるのには嬉しかった…………というか、ＯＧ２の設定って、確実にスーファミの「ヒーロー戦記」のＥＤから繋がってますよね。
「アポロン」とか、「ガイストＸＮ」とか、ギリアムの口から出る固有名詞にぞくぞくしてしまったワタクシ（笑）。
一方で、ルート選択については物足りない面も。
過去の作品の展開の流用であるため、ある程度オリジナリティが低くなってしまうのはしょうがないとしても、ＯＧに関しては、主人公選択でほとんど自動決定。ＯＧ２も展開面での意外性は無く……。
今回、オリジナルキャラとはいえ、かなり多くの勢力が参戦するので、ルート選択によって戦う相手が違ってくるというのもあってよかったかと。
【欠点】
な……長い…………＿|￣|○|||
スパロボ最長を誇るシナリオ群は、繰り返しプレイを躊躇させます。
クリア後のボーナス要素がけっこう良いだけに、この長さは厳しいものが。
で、おそらくこれがシナリオの長さを加速させたんだと思いますが、敵勢力をちょっと詰め込みすぎたかなと。特にＯＧ２ではその傾向が顕著でした。
インスペクターに、シャドウミラー＋ノイエＤＣで、もっと濃密な対立を描いたぐらいでちょうど良かったと思いますね。
アインストや、アースクレイドル（マシンナリーチルドレン）をここで使い切ってしまったのは、正直勿体無かったような気がします。
勢力が多くなればなるほど、シナリオ数は多くなりますし、その反面、その勢力に避ける描写が少なくなっちゃいますからねぇ。
あとは、全作品の主人公＝エースパイロット級が勢ぞろいしちゃってるため、基本的な傾向（回避がイマイチなスーパーロボット系、防御が低いリアルロボット系）以外は、全体的に能力が似たり寄ったりって感じですか。
ぶっちゃけ、特殊技能面を上手くパイロットポイントで補えば、誰を使ってもいいや、って感じで（笑）。
もうちょっと差別化が欲しかったというのは贅沢かな。
【まとめ】
シナリオの長さ以外は、欠点が少ないスパロボでした。
実際、システムとしてはかなり遊びやすかったですよ。難易度的にはそんなに難しくないので、シナリオの長さ（しつこい）さえ耐えれば、エンディングまでほとんどの人がいけると思います。
……で、やっぱり今回の目玉は、ＯＧ２影の主役といっていいギリアムの存在とその描かれ方でしょう。
これまであくまでゲスト出演だった彼が、ここまでハッキリと扱いが大きくなった事も含め、スーファミのヒーロー戦記をプレイした事のある人は、ぜひ彼の「その後」を見てもらいたい次第です。
・戦闘グラフィックの完成度は一級品。
・音楽のカスタマイズは◎。
・より遊びやすくなっているシステム周り。
・敵対勢力を使いすぎた？
・とにかくクリアまでの道のりが長い！
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