死ぬ、糸に巻かれて死ぬんだよ！
群れをなして攻めてくる、巨大虫……じゃない、巨大生物、機械兵器。それらを、マシンガンやロケットランチャー、粒子バルカンにサンダー・ガンを駆使し、右に左に薙ぎ倒しながら、一騎駆けで戦場を蹂躙するプレイヤー。
燃えます。非常に燃えるシチューエーションです。
そんな、バカバカしくもハードな―――子どものころに夢見たヒーローとして、プレイできるのが、この「地球防衛軍」。
【システム】
システムは非常にシンプルです。
ステージが全部で７１あるんですが、「陸戦兵」「ペイルウイング」という、大きく違いのある兵種を選んだ後、手持ちの武器から二つをチョイスし、それらのステージをクリアするだけ。いわゆる面クリア型・３Ｄアクション、というわけです。
そして、そこからの自由度がいい意味で高すぎる！
正直、どんな手段を駆使しても、どんな戦い方をしても構いません。とにもかくにも、手持ちの武器で敵を全滅させるのが至上目標。
敵から逃げながらチキン戦法取るも良し、体力と広範囲攻撃に任せて正面突破するも良し。
……つまり、ステージ共通のシステムと、ゲームスタート地点以外に、制約がないんです。
ある意味ほうりっ放しなんですが、それだけにプレイヤー自身、試行錯誤しながら遊ぶ事が出来ます。それの何と面白いことか！
むろん、高難易度である「ハーデスト」「インフェルノ」あたりになると、状況に応じた戦術を練らないといけませんが、それを編み出すのもまた楽し。
また、陸戦兵は１４７、ペイルウイングは１５３、合計３００もの武器があり、それらをステージをクリアするごとに集めるのが、また収拾熱に火をつけてくれます。
下位のものから、比べ物にならないほど高性能な上位のものまで、とにかく使い勝手が大きく変わり、それによりプレイ戦術も様々なものが取れるようになるかと。
【グラフィック・音楽】
さて敵。
巨大な蟻です。蜘蛛です。ムカデです。パターンなＵＦＯです。足長の武骨なロボットです。
なんかもうそのまんま、一言で説明できます。それぐらい単純。ま、ウリはここじゃありませんし、こんなもんでしょう。
ただ流石に、一部のステージで処理落ちが激しいのは困ります。
特に広範囲武器を使うと、ほとんどコマ送り状態になってしまうのは……。
敵も動きが遅くなるんで、それが戦いを苦しくするわけじゃないんですけど、ゲームテンポが悪くなりますね。
音楽は基本的に使いまわし。褒めるべき点は少ないものの、切羽詰った無線のやり取りとかは良いです。
あとはですね、やはり「仲間の声は聞こえるものの、戦場にたった一人」というのも寂しいもの（逃げる民衆はちょっといますが）。
三国無双的なワラワラ感までは必要ないでしょうが、もっと仲間と共闘したかったというのが正直なところ。
そもそも、個人戦なら地球防衛『軍』ではないんじゃ（苦笑）。
【欠点】
まぁ、なんちゅーか……インフェルノの難易度が狂ってます（汗）。特に蜘蛛。至近距離から糸を食らったら、兵器で６０００〜７０００の体力を持っていかれます。
他にも、新型戦車ディロイのレーザーも、連続的にもろに食らうと、５０００ぐらい減りますし。
これがどれくらいアホらしいかというと、何度も同じステージを繰り返して、体力を上げようとしても、最速で１時間＝陸戦兵で４００、ペイルで２００しか上がらないというところを挙げればいいでしょうか。
それこそ、十数時間の苦労が、あっという間に削られるのには眩暈が……。
それこそ、５０時間、１００時間とプレイして、体力を１００００ぐらいにしないと、普通の人ではまともにインフェルノをクリアできないと思います。
もちろん、難易度変更できて、イージーとかノーマルは、こちらは極端にラクなので、とりあえずクリアはできるんですけどね。
このへん、ちょっとどころではないほど、インフェルノの難易度バランスがきつ過ぎ。
それから、一部のレア武器の出現率が、恐ろしく低いです。
「インフェルノ難易度の５０ステージ以降のプレイで、取得した武器箱の中で、約１％程度」
―――ってんですから、気が遠くなります。
それに見合うほど、強力なのは確か……とは言え、普通にプレイしたのでは、まずお目にかからないのでは。
ガッチリ体力を上げておいて、「武器稼ぎ」に、何度も何度も何度もインフェルノ終盤ステージをプレイする必要がありますので。
【まとめ】
欠点は多いゲームです。探せば細かい粗はでてきますし、あと少しで完成度が高くなった、惜しいゲームというのが最初の感想。故に、表の点数もそこそこに終わってます。
ではありますが、それ以上に圧倒的に「楽しかった」、これは断言できます。
２０００円でこのパフォーマンスという点から、お買い得度が高いのも勧められるポイントでしょう。
・とにかく高い自由度。勝つためにいかなる手段を取っても良し。
・武器収拾システムは○。
・インフェルノの難易度が鬼。
・体力が上がりづらい……。高難易度に必要なだけに……。
・一部のレア武器の出現率が極低。
・「共闘感」が欲しかったところ。
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