孤独な戦い。
最初に言っておきます。とにかく欠点が多いゲームです。
とてもじゃないですが、面白さを求めて他人にはオススメできないんで、評価はＣとしました。
内容は、フリーランニングのアクションＲＰＧ部分と、ドラゴンに騎乗して戦う空中３Ｄ・ＳＴＧの融合。
また、アクションＲＰＧ部分では一定の条件下でドラゴン騎乗ができ、上空からの殲滅ができるようになっています。
無双＋エースコンバット系（もしくはパンツァードラグーン系）をミックスした、と言えばわかりやすいかも。
作品として、推せる部分は、グラフィック部分と、ストーリーの独特さ、あとはドラゴンシューティングのみ、と言っていいでしょう。まずはそのへんから。
ムービー等のグラフィックは、スクウェアエニックスのお家芸というか。流石に完成度は高いです。このへんは素直に○。
そしてストーリー。
基本的に、この中の話に楽観性やハッピーエンドを期待してはいけません。
一応、ストーリー分岐などがあるんですが、どれを行っても非常に暗い展開しか待っていません。そういう方向で突き抜けているので、むしろカタルシスを感じます。
好き嫌いは分かれると思うものの、こういう方向性で統一しているのは○。個人的に悲劇好き、というのもありますが。
ドラゴンシューティングは、操作の独特ささえ慣れればけっこう快適。
多重ロックオンからの爆撃にボム（？）発動など迫力があります。敵のバリエーションも豊富で、後半になるにつれ攻撃法も多彩に。ドラゴンの攻撃は強力ですが、やはり一対多数の戦闘なので、上手く切り抜けて行かなければなりません。
結果として、地上戦よりこっちの方が楽しかったですね。
問題はこっから先。
まず何より、地上戦でのゲーム内容に作業感が強すぎます（汗）。
戦場となったフィールドを駆け巡りながら、戦略的に敵を撃退していく―――という売り文句は、そのまま三国無双に当てはまりそうですが、実際は別物。
味方は声はすれども姿は見えず、実質、主人公一人でフィールドを駆けずり回っていかなければいけません。これが想像以上にツライ。
敵の増援以外はイベントらしいイベントもなく、戦況の流れもあって無き様なモノ。
主人公の攻撃モーションバリエーションが豊富でない事も手伝って、戦いがかなりスロー＆単調になってしまってます。
これに関して、敵の思考ルーチンもかなり脆弱。向こうの方でボーッとつっ立ってるか、同じようなモーションでノソノソ歩いてくるか、ほとんどは二つに一つ。さすがにボス級は違いますが。
戦闘シーンでは武器収集のシステムが採用されています。ところが、武器そのものの使い勝手に大差が無いのであまり意味無し。
やや振りが早いものか、少し重めで威力が高いか、程度の違いしかなく、リーチや連携などはあまり変わりません。あとは、魔法の使い勝手ぐらいで・・・・・・。
てか、ダッシュ突きを繰り返してれば大抵打ち勝てるバランス調整はどーかと。
ストーリーも途中部分が唐突というか、何故そういう流れになっていくのか・・・・・・描写場面場面がポンポン飛びすぎて、把握が難しいです。
帝国との戦いが、中盤から個人的なエピソードに絞り込まれすぎていくあたりなんか、「どうしてこうなるんだ？」という疑問が払拭できませんでした。
一応、いくつかのストーリーを経て補完できる部分もありますけど、それを踏まえても一貫性があるとは言えないでしょう。
あと、そういう展開・設定の迷走に拍車をかけているのが、ほとんど自分勝手にわめく（笑）セリフばかりのサブキャラクタ。
とりあえず戦場では黙っておけぃ、と何度口を突いたことか・・・・・・。
他にも、イチ戦闘（地上戦）が長い割には途中セーブが出来ない？、ドラゴンの操作性が悪い、敵の吹っ飛び方が機械的、など、細かいシステムの欠点が多々あります。
内容以外にも、遊んでての「爽快感」が相当減殺されるのは、この手のアクションでは致命的ではないでしょうか。
というわけで、欠点を長く述べましたが、実際にそういうゲームです。
他のレビューサイトでも厳しい評価が並んでいるのを見ると、私個人の好き嫌い以上のマイナス要素があるんでしょう。
ゲーム進行上、多少の障害＆ストレスがあっても、突き抜けた暗さを求めるならプレイする価値アリ（私はこの方向性は結構好き）。それ以外の人にとってはおそらく地雷ゲーム。
大作という前評判が見事にスッ転んだ作品という評価でひとつ。
・暗いストーリー。ここまで徹底したのは珍しいかも。
・ドラゴン戦は楽しい。多重ロックオン、一斉撃破は爽快。
・とにかく地上戦がタルい！
・システム周りに作りこみの甘さが多々。
特に武器の差別化、敵の行動パターンの甘さは……。
・ほぼ孤独な闘い。戦略性が薄い。
・仲間のセリフ邪魔。
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