過去の罪、現在の罰。
女神転生シリーズの流れを引き継ぎながら、それまでのモノとは一味違った作品に仕上がった「女神異聞録 ペルソナ」。
ジュベナイル文学的な要素も含んだ「ペルソナ」は、多くの人に支持されてきました。
そしてとうとうその続編である「ペルソナ２ 〜罪〜」の登場です。
今回は「ジョーカー様」という、いわゆる近代「都市伝説」のエピソードから、ストーリーが紡ぎだされていきます。
まず、第一印象。
すっごくプレイしやすくなっています（笑）。
いやもう、「あの」ペルソナの続編か？ってぐらいに。
2Ｄダンジョンへの移行、戦闘バランスの緩和、基本的に何処でも出来るセーブ、常識的な値段で売買されているアイテムの数々・・・。まさに王道ＲＰＧしてます。
・・・・・・とはいっても、武器の数々は半ば密輸モノだったり、カジノは裏カジノ状態だったりと、現代風的な味付けがなされていて、そのへんは他のファンタジー系ＲＰＧに比べ、みょーなリアル感があったり。
グラフィック周りに関しては、金子氏のデザイン以外ちょっとインパクトが薄いかな？
ただし、戦闘シーンの悪魔の動き（交渉時、攻撃時などの）は、かなり豊富に用意されていて、そのへんは見てても楽しいです。
あ、忘れてはいけないのが、ギャルソン副じｍ・・・・・じゃない、副島成記（アトラスのＧ・デザイナー）さんが人物のバストアップイラストを手がけるようになったことですね。
金子一馬氏のキャラデザを、副島氏が改めて描きおこす・・・・・・個人的に、この二人のコンビはムチャクチャ気に入ってます。
システム関連はいろいろ変更がありまして。
まず、戦闘時の陣形システムが廃止。武器の専属化。攻撃順番を自由に決定、タロットカードの一新ｅｔｃ・・・・・・。
先にも述べましたが、結果的に「より遊びやすく」なっているようです。
そして最大の目玉は「噂」システム。これは、「町で噂になったことが現実になる」という、ストーリーの柱を逆手に取ったもので、主人公達がある特定の噂を流すと、それによって町の施設などが、めまぐるしく変わるというモノです。
例えば、Ａ店は安い武器を扱っているらしい、との噂を流すと、その店は安価なものを扱うようになり、一方で高価だが質のよい防具を扱っているらしい、との噂を流せばこれも然り・・・・・・という感じ。
気になるところは・・・・・・まず、前作から難易度がグッと下がったため、ヘビーユーザーには物足りない部分があるかもしれません（苦笑）。
ですけど、新規ユーザーにはこちらのほうがあきらかに好印象に映りますけど。
普通のＲＰＧにかなり近くなったんで、メガテン系の独特さが抜けたと思う人が多いと思います。
あとは、合体時の要素がかなりシンプル・・・・・・ちょっと穿った言い方をすれば単純になったため、それまでのようなロジックを構築するような、悪魔召喚の楽しみが減少しています。
また、チョコチョコとしたサブイベントは多いものの、全体的なストーリーイベントは一本道なので、やりこみの要素が弱冠少ないと感じる人がいるかもしれませんね。
付け加えてあのラストは……この作品では完結していません。夢オチに近いですし。次作の「〜罰〜」をプレイして、ようやく一つの区切りが成り立つようになっていると言ってもいいでしょう。
世間に流れる噂と、それに翻弄される人々。この作品には現代社会にある一種の危さ・脆さが込められています。
・・・・・・できれば学生の方にプレイしてもらって、この重いテーマについて改めて考えて欲しいな・・・そう思わせられたソフトです。
・現代風な設定。
・金子氏のデザイン、副島氏のアレンジ。
・前作よりはるかにユーザーライクとなったシステム。
・ちょっとバランスが易しくなりすぎ？
・寄り道の要素が弱冠少なく感じる。
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