ようこそ、無間地獄へ。
評価 グ 音 シ オ 熱 オススメ度 合計 ８ ８ ７ ７ ７ Ａ ３７
仕事とかが忙しい人で、凝り性の人は手を出しちゃダメ、ゼッタイ。
そう前置きをしておかなければいけない、とっても危険なソフトがこれです。
私も安易に手を出したおかげで、このサイトのレビュー更新が大幅に遅れてしまいました。
まさに「時喰い」byクロノクロス
ゲームとしては、ライトなシステムのＳ・ＲＰＧ。難易度も高くなく、手軽に遊べる…………のですが、クリア後のやり込み具合が酷い。
本編のラスボスなんか、小指の先っちょで弾いただけで即死させちゃうような、論外レベルのステータスを誇る裏ボスがいまして、そいつを本気で倒そうとしたら、地道な装備品強化とレベル強化が必要……倒す事にこだわれば、時間カウンターカンスト＝９９９時間なんて、振りきっちゃうようなプレイをしなくちゃならないんで……。
だいたい、ＨＰ以外のステータスが軒並み１８０万前後、ＨＰに至っては、１０００万以上とか、どこのジンバブエ級のインフレだよ（汗）。
【グラフィック】
最近珍しいフルドット絵でよく頑張っています。バトル合間の寸劇はもちろん、戦闘シーンも動く動く。
欲を言うなら、攻撃パターンがもっと種類があっても良かったかも。
【音楽】
最近のゲームには珍しく、クリア後にサウンドテストが使えるようになるのは利点。
音楽の質は並み以上。外れ音楽は無く、ボイスも随所にてんこ盛り。
【システム】
いわゆるターン制のＳ・ＲＰＧに、買い物による装備品などのＲＰＧ要素を加えた感じ。
一マップの参戦人数は８人で、マップの大きさも終盤の一部を除けばさほど大きくありません。
１度クリアすれば、何度もそのマップでレベルアップに励めますし、難易度はライト。ファイヤーエンブレムのような詰め将棋的な難しさは無いです。
フツーにクリアを目指すなら、２０時間ほどで制覇できるんじゃないですかね。
特徴的なシステムは「浄化」システムで、マップ上にある敵がわきだすポイントを上手く誘導して、「浄化」コマンドで解放してやると、属性によってダメージを与えたり、敵を仲間にしたりと、いわゆるマップ兵器的な扱いが可能という事。
利用できる機会は多くはありませんが、錬武の洞窟での武器強化等では大活躍します。というか、武器強化に関しては、大浄化による武器レベル上げが必須。
キャラクタごとの個性もかなり強く、特に魔法習得面ではそれが顕著。キュロット、アルエットなどの魔法得意系のキャラはバシバシ魔法レベルが上がるのに、プリエやサラドの肉弾系はとにかく魔法習得に時間がかかります。
まぁ、肉弾系はかなり強力な近接コマンド技があるんですけど。
【そして魔界へ……】
本編のストーリーを追うだけなら、けっこう好き勝手にプレイしても大丈夫な本作。
しかし、一度錬武の洞窟でのレベル上げ、魔界への挑戦へ足を踏み外してしまうと、まさに終わりなき戦いが始まります。
本編終了レベルが、５０〜６０程度なのに、錬武の洞窟の最終マップは、１００〜２００の敵がゴロゴロ。
魔界レベルを最高まで上げて、魔界に挑むと、レベル１０００ぐらいの敵がフツーに闊歩してます。
こういったレベルインフレを経て、ファントムバールやら、真・バールに挑んでいくのですが、これがまた、地道なレベル上げと装備強化を繰り返す、まさに修羅の道。
近道などは存在せず、ひたすら時間をかけて仲間を鍛えるそれは、中毒性と苦行が妖しいバランスを生んでいます。
ホント、時間がない社会人は、地獄を見る事になるでしょう（謎）。
【欠点】
さてさて、魔界への道を選ばなければ、サクサク遊べる本作ですが、欠点が無いわけではありません。
まず、ストーリーの序盤と後半のノリが相当違うという事。
序盤ギャグ風味だったのが、「あれ？ これってこういうゲームだったっけ？」みたいな展開を見せる後半とのギャップが激しいです。
その変化が、丁寧に推移していればいいんですが、平均すると５マップ程度×１２話の章だての中では、ちょっと描写不足なところ気になるかもしれません。
個人的に、エンディングでのあの締め方はかなり良い、とは思うんですけどね。
あと、もうちょっと装備強化は簡単にして欲しかったなぁ、と。
序盤から中盤までは、変に強化するより、高価な武器・防具を買った方が手っ取り早いし、各種バールに挑むようになって、「店の物じゃあ、とてもじゃないと歯が立たん！」的な展開になって、魔界アイテムをどんどん合成する段階になると、レベル上げ→合成→レベル上げの、レベル上げの部分でほぼ大奇跡が必要になって、これまたその手順に時間を食われる！
この自由度が高いアイテム合成・装備強化は、間違いなくシステムの売りだったと思うんで、もうちょっとお手軽だったらなぁ、と思います。
【まとめ】
基本的に、ライトユーザー向けに手堅くまとまった作品です。
作品として遊んだ時、破たんしている部分少ないので、万人が楽しめるでしょう。
…………バール討伐の、ハイパーインフレレベル展開に目を向けなければ。
いやもう、こっちは本当に自らの精神の耐久性が試されます。
そっちに足を運ぶ人は、本当にプレイ時間の確保が計算できる事を前提に考えてください。
その分、真・バール撃破時の達成感・解放感は半端じゃないですけどね。
現時点で、私がプレイした中でぶっちぎりナンバーワンでしたので。＞達成感
・入り込みやすいシステム。
・動くキャラクタ。幕間でも、バトルでも。
・果てが長すぎる裏ボスへの道。
・ストーリーのギャップが激しい？
・時間を食い過ぎる裏ボスへの道。
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