出会いと復讐と・・・。
ドラクエの傑作といえば、多くの人が〜３を挙げる事が多いのですが、私としてはこの〜４が一番思い出に残っています。
単なる勧善懲悪ではなく、物語の各所に刷り込まれた生々しい復讐の性質。
善悪がどうとか〜では済まされない作品の性格は、今もって強烈な危さと魅力を持っているのではないでしょうか。
そんなＦＣ作品のリメイク。
グラフィックですが・・・・・・豪華にゃなってます。戦闘時のモンスターの動きも、さらに楽しく・・・なんですが、街のグラフィック、ダンジョンの一部が、ドラクエ７の使いまわしがほとんどなのが何とも（汗）。
確かに些細なところではあるんですが、このへんはイチから描き起こして欲しかったですねぇ。
ちなみに、物語の一番最初に５章の導入部分が入っています。
「あの状況」に持っていくには効果的な挿入だと思いました。
ＢＧＭにおいて、二章・三章のフィールド上の音楽が、他とバランスが取れてない感じがしました。やけに音が小さいんですよね・・・・・・。
その他はファミコン時代にも高かった評価の音楽を、さらにパワーアップさせているようです。
自分としては、五章のフィールド音楽・・・・・・仲間が揃わないうちはどこか寂しげな、揃った後は一気に雄々しくなる音楽は、全ドラクエの中でも最もカッコいいものだと思ってます。
ＦＣ時代に不評を買ったシステム、流石に今回はほぼ良化されていると言っていいでしょう。
中でも、戦闘中に個々に指示が出せるようになったのは歓迎すべきこと。もう、「ボス戦でクリフトがザキ連発」に悩まなくても良いです（笑）。
一方、有名な「逃げる８回後に全て改心の一撃」や、「カジノのメダルバグで大もうけ」などが治ってたのは残念・・・特にカジノ（笑）。
画面の切り替えも相変わらず早い。カートリッジ製品まではいかなくとも、戦闘もほぼ一瞬だしなぁ・・・・・・ストレスはウケないです。
他、移民システムや、クリア後のおまけシナリオなど、その他の楽しめる部分も充実。
また前半はそう感じなかったのですが、５章ぐらいからのゲームバランスがけっこう楽になっている印象。
ＲＰＧ初心者は、これぐらいの作品から始めてみるのもいいでしょう。
一方で、オリジナリティには疑問符がつきます。
先に述べたグラフィックの使いまわしはもちろん、ゲーム進行や装備関係までＦＣ版とあまり変わりありません。
それを懐かしく思った反面、もうちょっと手を加えてもいいのではないか、と感じました。
装備とか、もっと多種多様なものがあると、それだけでも良かったんですけどね・・・
このゲームは、ただ勇者が世界を救って終わり―――というところではないのがミソ。
４章や５章でその傾向が顕著ですが、肉親を失った者の復讐という、暗い情念が渦巻いているのが特筆するところです。
勇者ですら旅の始まりはそんな感じですからね。５章冒頭のあのシーンで、思わずコントローラーを握る手に力が入った人も少なくないでしょう。
もちろん私もそうでして、奇麗事だけではきっかけにならない冒険に惹かれたものです。
・・・・・・だからこそ、６章のあの展開はイマイチ納得できない。
愛しき人を魔物によって失った勇者と、人によって失ったピサロの、ある意味血で血をあがなう復讐の怨念同士が、この物語の根幹を成しているだけに、仲間として一緒に戦うのはどうかと（汗）。
きっかけとなったエビ○プリーストの暗躍（ＦＣ版でもチラと触れられてますが）が、より明確になったのはいいんですけどね。
ま、点数としては厳しくなりましたが、ＲＰＧに慣れていない、またはＦＣ版に触れていない人にとっては、十分遊べる出来です。元のＦＣでも良作ですしね。
その点は保証しますです。
・一味違う作風・・・・・・復讐の物語。
・５章の音楽がイイ。
・システムも大幅良化。
・オリジナリティ低し。特にＤＱ７、ＦＣ版をプレイした人には・・・・・・。
・６章の展開はアリなのか？？
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