ワナワナバトル第四弾。


影牢II


オススメ度

(シリーズ経験者はC)


PS時代から、密かに楽しんでいた「刻命館」シリーズ。非力な主人公が、トラップを駆使して侵入者を手にかけるという、ダーク極まりない作品群です。
その最新作が、PS2で出たと言うので、楽しみにしていました。
が…………(謎不吉)。


【グラフィック】
流石にキャラの造形、トラップのエフェクトは綺麗になっています。
今作からのダークイリュージョンもハデめ。このへんは明らかにパワーアップしています。
欲を言えば、キャラの表情にもっと変化があって欲しかったところですが。
難点は、今回もカメラワークが今ひとつだということ。障害物の配置によっては、上手く周りが見渡せなかったりします。
自らが直接は攻撃できない事、ゆえにトラップ発動のタイミングが重要な点からすると、これはけっこうイタイところ。


【音楽】
これは及第点どおりに。音声が入るようになっていて、全体的に悪くないと言うところでしょうか。サブストーリーに音声が無かった点は残念。


【システム】
今回、最も評価を下げざるを得なかった点。これはオリジナル要素も含めてです。
まずストーリー分岐が貧弱。そのほとんどが、最終局面の1〜2話の選択部分に集約されていて、それまではほとんど一本道の展開。
サブストーリーも、ホントにちょっとしたサブイベントが垣間見れるだけで、その選択肢が本編に影響を与えるわけでもなし。
そのため、繰り返しプレイが、作業になりがちです……。2周目以降のプレイを、最初から匂わせている作品で、これは致命的でしょう。
途中から分岐して、王家側、ヘルツォーク側、魔神側、それぞれの陣営に与するかで、大きくストーリーが変わるぐらい、用意しても良かったのでは。
この点では、途中の展開・EDで差があった、影牢、蒼魔灯よりダメダメです。

さて、肝心のワナの種類、3作目のこちらより減ってます。なわけで、自然と「使える(=使いやすい)」ものがほとんど限られてたりします。
バキュームフロア→ペンデュラム→(倒れたところを)ギルティランス、で終盤まで通じるんで。
一部の磁力無視の敵には、キラーパズソーを組み込むぐらいでしょうか。

これらの点について、前作よりパワーアップした「ウリ」の部分が感じられませんでした。

また、細かいところでかなり頻繁にロード画面に移行します。
ステージ始まりはともかく、イベントシーンなどはもっとロード回数を減らして欲しかったです。重なると、結構なストレスになりますので。


ただ、サブストーリーについては、本編と全く関係ない(笑)話が語られることもあり、それはそれで、面白味はあったり。
だからこそ、余計にサブストーリーの数の充実があれば、大きく評価が変わったと思います。


【その他】
システムとも関連があるのですが、本編以外のモードが少ないです。
初心者用のトレーニングモード、もっとやり込みが期待できる新規モードなどもなく、全体のボリューム感の薄さに拍車をかけてしまっています。
初心者の人は突き放された印象を受け、ヘビーユーザーはクリアしても物足りなさを感じてしまうでしょうね。後者な私も含め。


【まとめ】
残念ながら、「グラフィック以外、進化した部分が見受けられない」という評価を下さざるを得ない今作でした。
特に、シリーズ体験者は肩透かしを食らう事間違いないでしょう。
逆に、シリーズ初体験者はここから入るのがセオリー。ここで楽しみが分かったら、PS版影牢蒼魔灯へとさかのぼるといいんじゃないでしょうか。
……デキ云々が関係するとは言え、旧作へ戻る、というのも変な話なんですが。




・グラフィック関係は流石にキレイに。
・ダークネスイリュージョンの派手演出。



・ストーリーに関しては、前二作より明らかに後退。あまり分岐モノとはいえない。
・やり込み要素が低下。
・ロードが、時間&回数とも多め。


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